産休・育休中の給付金はいくら?出産手当金・育児休業給付金の計算方法【2026年版】

1. 産休・育休の基本(期間と違い)

「産休」と「育休」は混同されがちですが、法的根拠・取得できる人・給付元がすべて異なります。まずその違いをしっかり把握しておきましょう。

育児休業(育休)
  • 期間:原則子が1歳になるまで(最長2歳まで延長可)
  • 取得権利:男女ともに取得可能
  • パパ育休(産後パパ育休):出生後8週間以内に4週間取得可能
  • 雇用形態:雇用保険加入者が対象
  • 根拠:育児・介護休業法
⚠️ 産休と育休はセットで取得するのが一般的

多くの場合、産後8週間の産休が終了した翌日から育休に入ります。産休中は健康保険から「出産手当金」が、育休中は雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。

2. 産休中の給付金:出産手当金

出産手当金は、健康保険(協会けんぽ等)から支給される給付金です。産休中に会社から給与が出ない(または減額される)場合に、生活を支えるために支払われます。

計算式

出産手当金 = 標準報酬日額 × 2/3 × 支給日数

── 標準報酬日額の計算 ── 標準報酬日額 = 標準報酬月額 ÷ 30

支給の主なポイント

項目 内容
支給期間産前42日(多胎98日)+産後56日 = 最大98日(多胎154日)
支払元健康保険(協会けんぽ)
所得税非課税
社会保険料産休中は免除のためかからない
会社からの給与との関係産休中に給与が支払われる場合は出産手当金が減額または不支給

計算例:月給30万円の場合

標準報酬月額:約300,000円
標準報酬日額:300,000 ÷ 30 = 10,000円

── 98日間の出産手当金 ── 10,000円 × 2/3 × 98日 = 約653,333円

3. 育休中の給付金:育児休業給付金

育児休業給付金は、雇用保険(ハローワーク)から支給される給付金です。育休前6ヶ月の月平均賃金をもとに計算されます。

給付率と計算式

── 育休開始から180日目まで ── 月給の 67%(休業開始時賃金日額 × 67% × 支給日数)

── 181日目以降 ── 月給の 50%(休業開始時賃金日額 × 50% × 支給日数)

── いずれも非課税・社会保険料なし ──
💡 手取りベースで考えると実質収入はさほど変わらない

育休中は社会保険料・所得税がかからないため、手取りベースで比較すると育休中の実質収入は月給の約80〜90%水準になることもあります。給付金だけの額面では大きく下がって見えますが、控除がないぶん実際の減少は小さくなります。

育児休業給付金の主なポイント

項目 内容
支給元雇用保険(ハローワーク)
受給資格育休前2年間に雇用保険被保険者期間が12ヶ月以上
所得税非課税
社会保険料育休中は免除のためかからない
支給タイミング約2ヶ月ごとに2ヶ月分まとめて振込
パパ育休(産後パパ育休)出生後8週間以内に最大4週間取得可。給付率67%

4. 社会保険料の免除

産休・育休中は、健康保険・厚生年金保険の保険料が免除されます。これは会社員にとって非常に大きなメリットです。

✅ 社会保険料免除の3つのポイント
  • 本人負担分も会社負担分も両方免除される
  • 免除期間中も年金受給額への影響なし(標準報酬月額で算定継続)
  • 健康保険証はそのまま使用可能。医療費の自己負担も変わらない

産休開始月から育休終了月まで、月の末日が休業中であればその月の保険料が丸ごと免除されます(育休の場合は、同一月内に14日以上育休を取得した場合も免除対象)。

休業種別 免除される保険料 適用条件
産休(産前産後休業)健康保険・厚生年金産前産後休業期間中
育休(育児休業)健康保険・厚生年金月末育休中 or 同一月14日以上
雇用保険料免除なし育休中は給付金受給のため支払不要(結果として)

5. 年収別シミュレーション表

年収(月給換算)別に、出産手当金と育児休業給付金(最初の6ヶ月・67%期間)の目安額をまとめました。

年収 月給目安 出産手当金(98日) 育休給付金6ヶ月(67%)
300万円25万円約54.4万円約100.5万円
400万円33万円約71.9万円約132.7万円
500万円42万円約91.5万円約168.8万円
600万円50万円約109万円約201万円
700万円58万円約126.4万円約233.2万円

※ 標準報酬月額の上限(139万円)あり。上記は概算です。実際の給付額は標準報酬月額の等級・勤務日数等により異なります。

📌 出産手当金+育休給付金の合計受取額(年収500万円の例)

出産手当金:約91.5万円 + 育休給付金6ヶ月:約168.8万円 = 合計約260万円(産休・育休1年間の合計概算)。社会保険料免除額も含めると実質的な給付はさらに大きくなります。

6. 手続きの流れ

産休・育休の取得から給付金受給まで、おおまかな流れは以下の4ステップです。

1
会社に産休・育休の取得を申出 産休は遅くとも産前6週前、育休は育休開始の1ヶ月前までに会社へ書面で申出。育休は出生後8週以内に取得するパパ育休(産後パパ育休)の場合は2週間前まで
2
出産手当金の申請(産休中) 会社経由または本人が協会けんぽに申請。産後56日経過後に申請するのが一般的。申請書に医師・助産師の証明が必要
3
育児休業給付金の申請(育休中) 原則会社がハローワークに申請(初回は育休開始から約2ヶ月後)。本人は「育児休業給付受給資格確認票・育児休業給付金支給申請書」に記入・署名
4
復職 or 育休延長の申請 子が1歳時点で保育園に落選した等の場合は最長2歳まで延長申請が可能。延長の場合もハローワークへの申請が必要

産休・育休前後の手取りを確認

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7. よくある質問

育休中に副業してもいい?
会社の就業規則によります。育休給付金の受給には直接影響しませんが、副業収入が一定以上になると社会保険上の注意が必要です。副業を始める前に会社の規定と社会保険への影響を確認することをおすすめします。
パートでも育休給付金はもらえる?
雇用保険に加入していれば受給可能です。基本的な要件は育休前2年間に雇用保険被保険者期間が12ヶ月以上あること(週20時間以上勤務している場合は加入義務あり)。短時間労働者でも条件を満たせば受給できます。
夫婦で同時に育休を取れる?
取れます。パパ・ママ育休プラス制度を利用すれば、両親ともに育休を取得した場合に子が1歳2ヶ月になるまで育休を延長できます(ただし各自の育休期間の上限は1年)。夫婦で育休を取り合うケースも増えています。
育休中に会社都合で解雇されたら?
育休を理由とした解雇・不利益取扱いは育児・介護休業法で禁止されており、無効となります。万が一そのような事態になった場合は、都道府県労働局や社会保険労務士へ相談することをおすすめします。
育休給付金はいつもらえる?
2ヶ月ごとに2ヶ月分まとめて振込されます。初回は育休開始からおおむね4ヶ月後が目安です。会社の申請手続き状況によって多少前後することがあります。