解説記事 扶養控除とは

扶養控除とは?種類・条件・金額を
わかりやすく解説【2026年最新】

扶養家族がいると、所得税・住民税が軽減される「扶養控除」が適用されます。本記事では、扶養控除の種類・控除額・申請方法をわかりやすく解説。配偶者控除との違いや、社会保険の扶養(130万円の壁)との違いも整理します。
この記事の目次
  1. 扶養控除とは
  2. 扶養控除の種類と控除額一覧
  3. 扶養に入れる条件
  4. 配偶者控除・配偶者特別控除との違い
  5. 扶養人数が増えると手取りはどう変わる?
  6. 社会保険の扶養(130万円の壁)との違い
  7. 扶養控除の申請方法
  8. よくある疑問

1. 扶養控除とは

扶養控除とは、所得税法上の扶養親族がいる場合に、課税所得から一定額を差し引ける制度です。課税所得が減ることで、所得税・住民税の負担が軽くなります。

たとえば、子どもや親など、生計を一にする家族を扶養に入れると、その人数・年齢に応じた金額が所得から控除されます。その分だけ税金が少なくなるため、手取り額が増える仕組みです。

ポイント:扶養控除が適用されると

所得税:課税所得が減るため、適用される税率によって節税額が変わります。

住民税:翌年の住民税計算でも別途控除が適用されます(住民税の控除額は所得税より少ない)。

2. 扶養控除の種類と控除額一覧

扶養控除は扶養親族の年齢や同居状況によって、所得税・住民税それぞれの控除額が異なります。

区分 対象となる扶養親族 所得税控除額 住民税控除額
一般扶養控除 16歳以上19歳未満・23歳以上70歳未満 38万円 33万円
特定扶養控除 19歳以上23歳未満(大学生相当) 63万円 45万円
老人扶養控除 70歳以上(同居以外) 48万円 38万円
同居老親等控除 70歳以上(同居の親・祖父母等) 58万円 45万円
16歳未満の子どもについて

16歳未満の子ども(年少扶養親族)は扶養控除の対象外です。代わりに「児童手当」などの支援が充てられる制度設計となっています。

節税額の目安(所得税率20%の場合)

課税所得が330万〜695万円のゾーン(所得税率20%)にある方が一般扶養控除(38万円)を受けた場合の節税額を計算すると、所得税で7.6万円、住民税(税率10%)で3.3万円、合計10.9万円/年の節税になります。

3. 扶養に入れる条件

所得税法上の扶養親族として認められるには、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。

条件①:6親等内の血族または3親等内の姻族

子・親・祖父母・兄弟姉妹などが対象です。配偶者は「配偶者控除」で別途扱われるため、扶養控除の対象外です。

条件②:生計を一にしていること

同居が原則ですが、離れて暮らしていても仕送りなど生活費を負担している場合は「生計を一にしている」と認められます。大学進学で別居している子どもなどが典型例です。

条件③:年間の合計所得金額が48万円以下

給与収入のみの場合、年収103万円以下が目安です(給与所得控除55万円+基礎控除48万円)。年金収入のみの場合は65歳未満で年収108万円以下、65歳以上で年収158万円以下が目安です。

条件④:16歳以上であること

前述のとおり、16歳未満の子どもは扶養控除の対象外です。

年齢の判定タイミング

年齢はその年の12月31日時点で判定します。たとえば、12月31日に19歳になる場合、その年は「特定扶養親族」として63万円の控除が適用されます。

4. 配偶者控除・配偶者特別控除との違い

配偶者(夫・妻)は扶養控除ではなく、配偶者控除または配偶者特別控除の対象となります。

控除の種類 対象 控除額(所得税) 所得制限
扶養控除 16歳以上の扶養親族(配偶者以外) 38万〜58万円 扶養親族の所得48万円以下
配偶者控除 合計所得48万円以下の配偶者 38万円(納税者所得900万円以下) 納税者の所得1,000万円以下
配偶者特別控除 合計所得48万〜133万円の配偶者 1万〜38万円(段階的に減少) 納税者の所得1,000万円以下

配偶者の年収が103万円を超えても、150万円以下であれば配偶者特別控除が満額(38万円)適用されます。150万円を超えると段階的に控除額が減り、201.6万円以上になると控除がゼロになります。

5. 扶養人数が増えると手取りはどう変わる?

扶養人数は、毎月の給与から天引きされる源泉徴収税額に直接影響します。扶養が増えるほど源泉徴収額が少なくなり、月々の手取りが増えます。

月給30万円・40歳・東京の場合の源泉徴収税額の変化

社会保険料控除後の課税対象額(標準的な計算)に基づく目安です。

扶養人数 源泉徴収税額(月額) 扶養0人との差
0人 約6,270円
1人(配偶者等) 約4,770円 約1,500円/月 減
2人 約3,270円 約3,000円/月 減
3人 約1,770円 約4,500円/月 減
源泉徴収はあくまで概算

月々の源泉徴収は「仮の税額」です。年末調整で実際の年間所得・控除額に基づき精算されます。年末調整で還付を受けるケースが多いのはこのためです。

6. 社会保険の扶養(130万円の壁)と税法上の扶養の違い

「扶養」には税法上の扶養社会保険上の扶養の2種類があり、条件・基準が異なります。

比較項目 税法上の扶養 社会保険上の扶養
目的 所得税・住民税の軽減 健康保険・年金の保険料免除
収入上限 年収103万円以下(給与のみ) 年収130万円未満(将来の見込み額)
対象 16歳以上の親族 主に75歳未満の親族(年齢制限あり)
判定時期 年間の確定額(12月31日時点) 現時点の収入見込み(随時判定)
注意:103万円超でも社会保険の扶養に入れる

税法上の扶養(103万円の壁)を超えても、年収130万円未満であれば社会保険の扶養(被扶養者)に入れます。ただし大手企業(106万円の壁の対象)では異なる場合があります。

7. 扶養控除の申請方法

扶養控除の適用を受けるには、会社に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出します。

申告書の提出タイミング

毎年最初の給与支払日の前日までに、翌年分を提出するのが一般的です。多くの会社では11〜12月に翌年分の申告書を配布します。

記載が必要な内容

控除対象扶養親族の「氏名・生年月日・続柄・居住地(別居の場合)」を記入します。マイナンバーの記載も必要です。

年中での変更(異動)

結婚・出産・就職などで扶養家族の状況が変わった場合は、変更事由が生じたときに「異動申告書」を提出します。提出後、翌月以降の源泉徴収額が修正されます。

確定申告でも手続き可能

会社への申告を忘れた場合でも、翌年3月15日までに確定申告を行うことで扶養控除を受け、過払い税額の還付を受けることができます。

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8. よくある疑問

親を扶養に入れられますか?

はい、可能です。年収が103万円以下(年金のみなら65歳以上で158万円以下)で、生計を一にしていれば扶養控除の対象になります。70歳以上の親と同居している場合は「同居老親等控除」が適用され、控除額が58万円(最大)になります。

共働きの場合、子どもはどちらの扶養にすればよいですか?

一般的には収入の多い方の扶養にする方が税負担の軽減効果が大きいです。ただし、税率の違いや住民税の計算も考慮して判断してください。同じ子どもを夫婦双方の扶養に入れることはできません。

扶養を外れたら何が変わりますか?

扶養親族が扶養を外れた(年収が103万円を超えた)場合、その年の年末調整または確定申告で扶養控除が適用されなくなります。その結果、扶養者(親・配偶者)の所得税・住民税が増加します。また社会保険の扶養を外れる(130万円超)場合は、自身での国民健康保険加入・保険料負担が生じます。