ボーナス(賞与)の手取り計算方法【2026年最新】月給との違いを徹底解説
- ボーナスの社会保険料は標準賞与額をもとに計算(上限:健康保険は年573万円、厚生年金は1回150万円)
- 所得税は前月の月給をベースにした特例計算で算出される
- 住民税はボーナスから天引きされない
- 月給と異なり、標準報酬月額の等級には影響しない
① ボーナスの手取りとは(月給との違い)
ボーナス(賞与)は月給とは別の給与ですが、社会保険料・雇用保険・所得税が控除されます。 ただし、計算方法は月給と大きく異なります。最も重要な違いは住民税が天引きされない点と、 所得税の計算が「前月給与ベースの特例方式」で行われる点です。
また、月給の社会保険料計算で使う「標準報酬月額」の等級は、 ボーナスの金額が変わっても直接影響を受けません。 ボーナス独自の「標準賞与額」を使って保険料を計算します。
- 社会保険料:月給は「標準報酬月額」、ボーナスは「標準賞与額」で計算
- 所得税:月給は「月給×税率」、ボーナスは「前月の月給をベースにした特例計算」
- 住民税:月給からは天引き、ボーナスからは天引きなし
② 社会保険料の計算(標準賞与額の仕組み・上限573万円)
ボーナスの社会保険料は、実際の賞与支給額(1,000円未満切り捨て)を 標準賞与額として、月給と同じ料率を掛けて計算します。
標準賞与額の上限
| 保険の種類 | 上限 | 備考 |
|---|---|---|
| 健康保険(協会けんぽ) | 年間累計573万円 | 4月〜翌3月の合計 |
| 厚生年金 | 1回あたり150万円 | 回数の上限なし |
| 介護保険(40歳以上) | 健康保険と同じ | 年間573万円 |
計算式(東京・協会けんぽ・2026年度)
厚生年金保険料(従業員負担)= 標準賞与額 × 9.15%
介護保険料(従業員負担・40歳以上)= 標準賞与額 × 0.80%
子ども・子育て支援金(従業員負担)= 標準賞与額 × 0.115%
例:賞与100万円(40歳未満)→ 健保49,900 + 厚年91,500 + 支援金1,150 = 142,550円
③ 雇用保険料の計算(賞与額×0.6%)
雇用保険料は月給と同様に、賞与支給額に料率を掛けて計算します。 2026年度の一般の事業における従業員負担分の料率は0.6%です。
例:賞与100万円 → 1,000,000 × 0.006 = 6,000円
雇用保険料に上限はなく、賞与額に比例して増えます。 また、社会保険料と異なり1,000円未満の切り捨て処理は行いません。
④ 所得税の計算(賞与に対する特例計算)
ボーナスの所得税は、月給のような単純な税率表引きではなく、 前月の月給(社保控除後)をベースにした「賞与に対する源泉徴収税額の特例計算」で求めます。
計算の流れ
- 前月の給与から社会保険料を差し引いた金額(前月社保控除後の給与)を求める
- 扶養人数と前月社保控除後の給与をもとに、国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」から税率を調べる
- 賞与支給額から社会保険料・雇用保険料を差し引いた額に、上記の税率を掛ける
税率の目安(扶養0人の場合)
| 前月の社保控除後の給与 | 税率(扶養0人) |
|---|---|
| 〜88,000円未満 | 0% |
| 88,000円〜183,000円未満 | 2.042% |
| 183,000円〜250,000円未満 | 4.084% |
| 250,000円〜360,000円未満 | 6.126% |
| 360,000円〜500,000円未満 | 8.168% |
| 500,000円〜700,000円未満 | 10.21% |
| 700,000円〜1,000,000円未満 | 12.252% |
| 1,000,000円〜1,500,000円未満 | 16.336% |
| 1,500,000円〜 | 20.42% |
※ 2026年度の税率表(国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」より抜粋・簡略化)。税率には復興特別所得税2.1%が含まれます。
例:賞与100万円、前月社保控除後給与28万円(扶養0人)→ 税率6.126%
(1,000,000 − 142,550 − 6,000)× 0.06126 ≒ 52,250円
⑤ 住民税はボーナスから控除されない
住民税は月給からのみ特別徴収(天引き)されます。 ボーナスからは住民税が引かれません。 これが月給との大きな違いのひとつです。
⑥ 手取りシミュレーション表
以下は賞与支給額別の手取り目安です(東京・協会けんぽ・40歳未満・前月社保控除後給与28万円前後を想定)。
| 賞与支給額 | 社会保険料 (健保+厚年+支援金) |
雇用保険料 | 所得税 (扶養0人) |
手取り (扶養0人) |
手取り (扶養1人) |
|---|---|---|---|---|---|
| 50万円 | 71,275円 | 3,000円 | 26,000円 | 約399,700円 | 約412,100円 |
| 100万円 | 142,550円 | 6,000円 | 52,250円 | 約799,200円 | 約823,600円 |
| 150万円 | 213,825円 | 9,000円 | 84,600円 | 約1,192,575円 | 約1,230,700円 |
| 200万円 | 285,100円 | 12,000円 | 123,200円 | 約1,579,700円 | 約1,630,400円 |
※ 東京・協会けんぽ・40歳未満。所得税は前月社保控除後給与28万円前後を想定した概算値です。 扶養1人の場合の所得税は税率が1段階下がる前提で算出。端数処理の関係で実際と異なる場合があります。
⑦ 月給と賞与の控除の違いまとめ
| 控除の種類 | 月給 | ボーナス(賞与) |
|---|---|---|
| 社会保険料の計算基準 | 標準報酬月額(等級制) | 標準賞与額(実額、上限あり) |
| 健康保険料率(従業員) | 4.99% | 4.99%(同じ) |
| 厚生年金保険料率(従業員) | 9.15% | 9.15%(同じ) |
| 上限 | 標準報酬月額65万円(上限) | 健保:年573万円 / 厚年:1回150万円 |
| 雇用保険料率(従業員) | 0.6% | 0.6%(同じ) |
| 所得税の計算方法 | 給与所得の源泉徴収税額表 | 賞与に対する算出率表(前月給与ベース) |
| 住民税 | 天引きあり(特別徴収) | 天引きなし |
| 標準報酬月額への影響 | あり(4〜6月の報酬で決定) | なし(直接影響しない) |