有給休暇とは?付与日数・取得義務・給与への影響をわかりやすく解説【2026年版】
1. 有給休暇とは
有給休暇(正式名称:年次有給休暇)とは、給与が支払われたまま取得できる休暇のことです。労働基準法第39条に基づく労働者の権利であり、雇用形態(正社員・パート・アルバイト)を問わず、一定の要件を満たした労働者に付与されます。
有給休暇が発生する条件は以下の2つです。
- 雇入れの日から 6ヶ月以上継続して勤務 していること
- 全労働日の 8割以上出勤 していること
この2つの条件を満たすと、最初の有給休暇(10日)が付与されます。その後は1年ごとに出勤率を確認しながら日数が増えていきます。有給休暇は正社員だけでなく、パートタイム・アルバイト・派遣社員・契約社員にも適用されます。
2. 有給休暇の付与日数(勤続年数別)
週5日以上勤務している正社員・フルタイム労働者の場合、勤続年数に応じて以下の日数が付与されます。
| 勤続年数 | 付与日数 |
|---|---|
| 0年6ヶ月 | 10日 |
| 1年6ヶ月 | 11日 |
| 2年6ヶ月 | 12日 |
| 3年6ヶ月 | 14日 |
| 4年6ヶ月 | 16日 |
| 5年6ヶ月 | 18日 |
| 6年6ヶ月以上 | 20日(上限) |
付与日数の上限は年間20日です。翌年に繰り越せるため、最大で一度に40日分を保有できます(繰越分20日+新規付与20日)。
3. パートタイム・アルバイトの比例付与
週の所定労働日数が4日以下、または年間所定労働日数が216日以下のパートタイム・アルバイトには、労働日数に比例した日数が付与されます(比例付与)。
| 週労働日数 | 0.5年 | 1.5年 | 2.5年 | 3.5年 | 4.5年 | 5.5年 | 6.5年〜 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
| 3日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
| 2日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
| 1日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
※ 週の所定労働日数が4日以下であっても、週30時間以上勤務している場合はフルタイム扱いとなり、上記の比例付与ではなく通常の付与日数が適用されます。
4. 年5日の取得義務(2019年4月〜)
- 有給休暇が10日以上付与された労働者は、年間5日の取得が義務
- 会社は取得できていない社員に対して「時季指定」して取得させなければならない
- 違反した会社には30万円以下の罰金(労働基準法第120条)
2019年4月の労働基準法改正により、年10日以上の有給休暇が付与されているすべての労働者(管理職・有期雇用者も含む)に対して、会社が年5日の有給取得を確実に実施させることが義務付けられました。
労働者が自分で5日以上取得した場合は問題ありませんが、取得できていない場合、会社が取得日を指定(時季指定)しなければなりません。この制度により、有給休暇を取りにくい職場環境の改善が促進されています。
5. 有給を取ったときの給与はどうなる?
有給休暇を取得した日の賃金は、以下の3つの方法のいずれかで支払われます。どの方法を採用するかは、就業規則または労使協定で定められています。
| 方法 | 内容 | 一般的な使用 |
|---|---|---|
| 通常賃金 | 働いた日と同じ賃金を支払う | 最も一般的 |
| 平均賃金 | 直近3ヶ月の賃金総額を総暦日数で割った平均日額 | 賃金変動が大きい場合 |
| 標準報酬日額 | 健康保険の標準報酬月額 ÷ 30 | 労使協定が必要 |
多くの会社では「通常賃金」が採用されており、有給を取得した日も通常出勤した日と同じ給与が支払われます。つまり、有給休暇を取得してもその月の給与は基本的に変わりません。
月給:250,000円 / 月の所定労働日数:22日
1日あたりの賃金:250,000円 ÷ 22日 ≈ 約11,364円
── 有給取得日もこの金額が支払われる ──
有給を2日取得 → 通常出勤20日分 + 有給2日分 = 22日分の賃金
ただし、時間外手当(残業代)や皆勤手当は有給取得の影響を受ける場合があります。就業規則で皆勤手当の扱いが定められている場合は確認しておきましょう。
6. 有給休暇の消滅時効と買取
消滅時効は2年
有給休暇には2年間の時効があります(労働基準法第115条)。付与日から2年間使用しなかった有給休暇は消滅します。たとえば入社6ヶ月後に付与された10日分は、2年後(入社2年6ヶ月後)に消滅します。
買取は原則禁止
有給休暇の金銭買取は原則として禁止されています。買取を認めると「有給を使わずにお金をもらう方が得」という状況が生まれ、有給取得が阻害されるためです。
退職時に残っている有給休暇と、時効消滅が確定した有給休暇については、例外的に買取が認められています。法的な義務はありませんが、退職交渉の中で会社に買取を依頼することは可能です。退職前に残有給日数を確認しておくことをおすすめします。